ChatGPTで勤務表を作るプロンプト|医療職向けに必要な条件を徹底解説

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前編・後編の記事では、「AIで勤務表のたたき台を作れるのか」「AIが作った勤務表を人間がどう確認するか」という内容についてを紹介しました。

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今回は「実際にChatGPTへ何を伝え、どんなプロンプトを使えばいいのか」を具体的に解説します。

私自身は勤務表作成担当じゃないので、勤務表そのものをAIで作成した経験はありません。ただ、私の周りの勤務表を作成している人が「何か簡単に作れる方法ないのかな」とぼやいていたことをきっかけに、AIをどう利用すればいいのか考え、実験したことをまとめました!

明日からの業務にぜひ役立ててください。

ChatGPTで勤務表を作るには「条件整理」が重要

「勤務表を作って」とだけChatGPTに指示しても、うまくいきません。AIは、こちらが伝えた条件の範囲でしか判断できないためです。スタッフの人数も、必要な人数も、希望休があるかどうかも、こちらから伝えない限りAIには分かりません。

勤務表には、必要人数、希望休、夜勤回数、連勤日数、新人と経験者の配置など、複数の条件が同時に関わっています。すべてが同じ重みを持っているわけではないため、「必ず守る条件」と「できれば守りたい条件」を分けて伝えることが大切です。こうしておくと、条件同士がぶつかったときに、AIがどちらを優先すべきか判断しやすくなります。

特に見落とされがちなのが、スタッフごとの個別事情です。夜勤ができない人、特定の曜日だけ夜勤に入れない人、時短勤務で勤務できる時間帯が限られている人など、細かい制約は後から追加すると条件が複雑になります。最初から「絶対条件」としてまとめて洗い出しておくと、AIが見落としにくくなります。

医療現場の勤務表では「人数を満たす」だけでは不十分な場合がある

勤務表の条件というと、「必要人数を満たしているか」がまず思い浮かびます。ただ、医療現場ではそれだけでは足りないケースがあります。

私は勤務表そのものをAIで作った経験はありませんが、検査の当番表をAIで作成しているケースを見たことがあります。非常に特殊な検査の当番表なため、担当部署の人が必ず一人はいなければならない、ほかの検査にも配慮しなければならないなど、条件が多いことに加え、とある曜日は慢性的な人手不足でもありました。あがってきた当番表は、人数として必要な数を満たしていました。でも、振り分けられた部署が曜日によってかなり偏りがあって、当日、その部署に何かあったら対応できない日ができてしまいました。医療現場では、予期せぬ事態が起きる可能性がいつでもあります。そうなった時、すぐ対応できるように配慮した人員配置が必要でした。

この経験から、AIに勤務表を作らせる場合も、

  • 必要人数を満たしているか
  • イレギュラーが起きたときに対応できる余力があるか

という2つの視点を分けて考える必要があると思います。人数だけを条件として伝えると、AIは「人数を満たした表」を作ることはできても、「余力があるかどうか」までは考慮してくれません。余力が必要な場合は、それも独立した条件として明示的に伝える必要があります。

勤務表作成でChatGPTに伝えるべき条件

以下は、勤務表作成でChatGPTに伝えるとよい条件の例です。施設によってルールは異なるため、あくまで一例として参考にしてください。

  1. 対象期間:「○月○日〜○月○日の1週間」「◯年◯月」のように、作成したい期間を明確にする
  2. スタッフ人数:全体で何人のスタッフが対象かを伝える
  3. スタッフごとの経験年数・区分:経験者・新人などの区分を伝える
  4. 勤務区分:「日勤・遅番・夜勤」など、職場で使っている勤務区分を伝える
  5. 1日に必要な人数:例えば「日勤は毎日4人、夜勤は毎日2人必要」のように具体的な数字で伝える
  6. 希望休:「Aさんは○月○日が休み希望」のように、個人ごとの希望を伝える
  7. 有給・休暇:あらかじめ確定している休暇があれば、それも条件として伝える
  8. 夜勤ができるスタッフ:全員が夜勤に入れるとは限らないため、対象者を明示する
  9. 夜勤回数:「夜勤は月4回まで」など上限を伝える
  10. 最大連勤数:「連勤は4日まで」のように上限を伝える
  11. 夜勤明けの扱い:「夜勤明けの翌日は休みにする」のように、職場のルールを伝える
  12. 新人と経験者の配置:例えば「新人だけで夜勤を組まない」のように配置の条件を伝える
  13. 個別の勤務制約:時短勤務で勤務できる時間帯が限られている人、特定の曜日だけ夜勤に入れない人など、スタッフごとの事情があれば明示する
  14. 人手が元々少ない日:学会や研修などで、通常より人手が薄くなることが分かっている日があれば伝えておく
  15. イレギュラー対応の余力:必要人数とは別に、急な対応のためフリーで動ける人を確保したい場合は、その条件も独立して伝える
  16. 職場独自のルール:上記以外に、その職場だけで運用されているルールがあれば追加で伝える

12〜16番のような条件は、後から「この日はAさんは動けなかった」「人数はいたのに対応できる人がいなかった」という手戻りにつながりやすいポイントです。最初にまとめて洗い出しておくとよいでしょう。

実際に使えるChatGPT勤務表作成プロンプト

上記の条件を組み込んだプロンプトの例です。スタッフ名はすべて仮名にしています。実際に使う際は、氏名や職員番号など個人が特定できる情報を入力しないよう注意してください。

あなたは医療現場の勤務表作成をサポートするアシスタントです。
以下の条件をもとに、勤務表のたたき台を作成してください。

【対象期間】
○月○日〜○月○日(4週間分)

【スタッフ一覧】
経験者:Aさん、Bさん、Cさん、Dさん、Eさん、Fさん、Gさん
新人:Hさん、Iさん

【勤務区分】
日勤・夜勤

【1日に必要な人数】
・日勤:毎日4人以上
・夜勤:毎日2人以上

【希望休】
・Aさんは○月○日が休み希望
・Cさんは○月○日が休み希望

【夜勤ができるスタッフ】
Aさん、Cさん、Dさん、Eさん、Fさん、Gさん、Hさん、Iさん

【個別の勤務制約】
・Bさんは時短勤務のため、夜勤には入れない
・Dさんは○曜日は夜勤に入れない

【人手が元々少ない日】
・○月○日〜◯日は学会のため、Aさん、Dさんが不在

【イレギュラー対応の余力】
・日勤は、必要人数とは別に1人はフリーで動ける人を配置したい

【絶対に守る条件】
・夜勤は最大3連勤まで
・夜勤明けの翌日は必ず休みにする
・新人(Hさん、Iさん)だけで夜勤を組まない(必ず経験者を1人以上入れる)

【できれば守りたい条件】
・夜勤回数はスタッフ間でできるだけ均等にする
・土日の勤務回数もできるだけ均等にする

【出力形式】
・曜日ごとに、誰が日勤・夜勤かが分かる表形式で出力してください
・勤務表の最後に、スタッフごとの勤務日数・夜勤回数・最大連勤日数を集計してください
・集計結果も必ず人間が確認する前提で作成してください

【条件を満たせない場合の対応】
すべての条件を同時に満たせない場合は、無理に勤務表を完成させず、
どの条件が両立できないのかを具体的に報告してください。

ポイントは、「個別の勤務制約」「人手が元々少ない日」「イレギュラー対応の余力」を、それぞれ独立した項目として入れていることです。これらは後から気づいて追加されがちな条件ですが、最初から伝えておくことで、AIが見落としにくくなります。

最後の「条件を満たせない場合の対応」も重要です。AIに無理やり答えを出させるのではなく、条件同士の矛盾をAI自身に発見・報告させることで、担当者が見落としていた矛盾に気づける可能性があります。

条件を整理したら、AIには段階的に確認しながら進める

ここまでで、伝えるべき条件を漏れなく洗い出す方法を説明してきました。ただし、洗い出した条件をすべて一度にAIへ投げて、一発で完成させようとする必要はありません。

条件を整理する作業と、AIに実際に処理させる作業は、分けて考えるとうまくいきやすくなります。

  1. まず、必要な条件を漏れなく整理する(このあとの見出しで紹介する条件やプロンプトを参考にしてください)
  2. 次に、主要な条件からAIに伝え、出力を確認する
  3. 問題があれば、「○曜日の夜勤が3連勤を超えているので修正してください」のように、具体的に修正を指示する
  4. 最後に、出力された勤務表が条件を満たしているか、人の目で確認する

条件を整理する段階では漏れがないようにしっかり洗い出し、AIに依頼する段階では一度にすべてを処理させようとせず、必要に応じて確認と修正を重ねる。この2段階で考えると、条件の多さに振り回されにくくなります。

プロンプトは職場に合わせて変更する

上記のプロンプトは、あくまでひな形です。実際に使う際は、スタッフ名・人数・必要人数・希望休・連勤ルール・個別の制約・職場独自のルールなどを、自分の職場の実情に合わせて書き換えてください。

医療機関によって勤務ルールは大きく異なるため、この記事で紹介している条件や数字はあくまで説明のための例です。そのまま自分の職場に当てはめるのではなく、実際のルールに合わせて調整してください。

AIが作った勤務表は、そのまま使わずに人が確認する

AIが出力した勤務表は、一見きれいに整っているように見えることがあります。ただし、次のような可能性は常にあります。

  • AIが条件のひとつを見落としている可能性
  • 人数の計算やカウントを誤っている可能性
  • 複数の条件同士が実は矛盾していた可能性
  • 職場独自の暗黙のルールをAIが知らない可能性
  • 人数は足りていても、イレギュラー対応の余力までは考慮されていない可能性

最終的な勤務表の内容に責任を持つのは、あくまで人間です。特に医療現場では人員配置が業務の安全性に直結するため、「AIが作ったから正しいはずだ」と考えず、必ず人の目で確認する必要があります。どのような観点で確認すればよいかは、後編の記事で詳しく紹介していますので、あわせて参考にしてください。

医療職がChatGPTで勤務表を作るときの注意点

勤務表には個人に関わる情報が多く含まれるため、AIに入力する情報には注意が必要です。

  • 実名を入力しない
  • 職員番号など、個人を特定できる情報を入力しない
  • 患者情報を入力しない
  • 施設内部の機密情報を入力しない
  • 職場で定められているAI利用ルールを確認する
  • 利用するAIサービスの利用規約やプライバシー設定を確認する

この記事で紹介しているプロンプトも、スタッフ名はすべて「Aさん」「Bさん」といった仮名にしています。実際に使用する際も、実名ではなく仮名や記号に置き換えて入力することをおすすめします。

まとめ

この記事では、ChatGPTに勤務表を依頼するために整理しておきたい条件と、そのまま使えるプロンプトを紹介しました。

  • ChatGPTは、勤務表作成のたたき台や条件整理をサポートできる
  • ただし、精度を上げるには条件整理が欠かせない
  • 「必要人数を満たす」だけでなく「イレギュラー対応の余力」まで考えると、医療現場ではより実用的な条件になる
  • 最終的な確認と判断は、必ず人間が行う

まずは自分の職場の勤務条件を書き出してみるところから始めてみましょう。書き出した条件をこの記事のプロンプトに当てはめれば、ChatGPTに依頼する準備が整います。

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